いつもとは傾向の違うトピック。或る薬害が気になったので・・・
『商品名は、網膜治療領域ではアイリーア、大腸癌治療領域ではザルトラップ
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効能・効果
網膜疾患
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(承認取得:2012年9月)
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副作用
眼科
重大な副作用は眼障害(眼内炎(0.2%)、眼圧上昇(4.5%)、硝子体剥離(1.3%)、外傷性白内障(0.7%)、網膜出血(0.6%)、網膜色素上皮裂孔(0.4%)、硝子体出血(0.4%)、網膜剥離(0.07%)、網膜裂孔(0.1%)、網膜色素上皮剥離(0.03%))および脳卒中(0.3%)である。5%以上に発現する他の副作用は、結膜出血(24.0%)、眼痛(頻度未記載)である[7]。飛蚊症が発生することがある[8]。
大腸癌
主な副作用は、血球減少(白血球減少、血小板減少)、消化管障害(下痢、腹痛等)、疲労感、高血圧である[9]。
』
アフリベルセプト ベータ製剤(VEGF阻害剤)の主な副作用や注意点
· 消化器症状
o 下痢、吐き気、口内炎などがあらわれる場合がある
· 心・血管系症状
o 高血圧、頻脈、動悸などがあらわれる場合がある
· 出血
o 鼻出血、消化管出血(吐血、下血)、肺出血(血痰、喀血)、頭蓋内出血などがあらわれる場合がある
· 創傷治癒遅延
o 創傷治癒に影響を及ぼす場合がある
· 全身症状
o 疲労、体重減少、脱水などがあらわれる場合がある
· インフュージョンリアクション
o 気管支痙攣、呼吸困難、血管浮腫、アナフィラキシー、痒みや皮疹などの皮膚症状などがあらわれる場合がある
· 骨髄抑制
o 好中球減少、血小板減少、白血球減少貧血などがあらわれる場合がある
o 場合によっては発熱を伴う症状(発熱性好中球減少症)などを引き起こすこともあり、特に突然の発熱、さむけ、喉の痛みなどの症状が見られる場合は放置せず医師や薬剤師に連絡する
· 血栓症(血栓塞栓症 など)
o 手足のまひやしびれ、しゃべりにくい、胸の痛み、呼吸困難、片方の足の急激な痛みや腫れなどがみられた場合は放置せず、速やかに医師や薬剤師に連絡する
『Ⅲ 合併症
硝子体内注射の合併症として全身合併症と眼局所合併症がある.
1.全身合併症
VEGF 阻害薬に関しては,硝子体内に注射した薬剤が一部全身血流に移行して,VEGF 阻害に起因する動脈血栓塞栓に関連する血管死,心筋梗塞,虚血性脳卒中,出血性脳卒中などが発現する可能性がある.添付文書では,「脳卒中(脳梗塞,脳出血等)又は一過性脳虚血発作の既往歴等の脳卒中の危険因子のある患者」 に対しては慎重投与と記載されている』
ブロルシズマブ安全性審査委員会報告書(2020/06/04)
2020060902.pdf
『ブロルシズマブ(ベオビュ®: ノバルティス)の米国の市販後調査の結果、これまでの血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬では経験のない「眼内炎症」とそれに関連する「網膜血管炎および網膜血管閉塞」の合併症が発生することが判明しました。』
『●⽇本からの報告
HAWK&HARRIER 試験に参加した⽇本⼈(n=101)における IOI については論⽂化されてないが、IOI 12.9%、網膜⾎管炎合併 9.9%、網膜⾎管炎および網膜⾎管閉塞合併 4.95%と⾮常に⾼率であり[5]、2020年の American Academy of Ophthalmology でも⽇本⼈であること⾃体がリスクの可能性が⽰された[6]。
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まだ IOI の原因は不明であり、⽇本⼈に多い可能性もあることから慎重にならざるを得ませんが、最新情報を確認し、患者への説明を⼗分に⾏った上で正しく使⽤することが望まれます。』