Oct 25, 2011

放射線の専門家、中川先生のご講演について、 @muraokeiko さんの投稿をトゥギャりました

@muraokeiko さんが、中川さんのご講演を、つぶやいています。ご講演は未だ聞いていませんが、論点がきちんと整理されて、分かりやすいです。また、専門家は「これは当然」と考えるのか、説明を省きがちで前後関係が分かりにくい事がありますが、この一連のツイートは、根拠が分かりやすいです。こうして、私自身での内容の検証は未だですが、首尾一貫・根拠明確で、安心感があり、ためになりそうなので、ここに書き留めておきます。

放射線の専門家、中川先生のご講演。テーマは正しい放射線の知識。放射線被ばくでは遺伝的な問題は発生し得ない。リスクはガンになる確率が高まるということ。

日本の自然被ばくは年間1.5ミリシーベルト。西日本の方が自然被ばく量は多い。ちなみにインドのケララでは4-70ミリシーベルトだが、ガンが多いという報告はない。医療被ばくを入れると平均的日本人は5.5ミリシーベルトを年間被ばくしている

日本のがんの3%以上が、医療被ばくによって発生している、かもしれない。日本の医療被ばくはかなり世界レベルで言っても高い。日本の胸のレントゲンは若い時から結核のために取っているが、そもそもこれは時代遅れかも。。。

原発事故と原爆は違う。原爆は一瞬の被ばく。なのでどこにいたか、で決まる。被ばく量の把握はしやすい。原発事故では風に乗るので、風向きと雨が大事。放射性物質はほとんどがヨウ素とセシウム。ヨウ素は半減期は8日。セシウム134は2年。セシウム137は30年。ヨウ素はほぼ今はゼロ。

チェルノブイリでは小児甲状腺ガンだけが増えた。約6000名、15名が死亡した。政府が公表しなかったので、チェルノブイリでは4歳以下の1%が10シーベルト(1万ミリシーベルト)の被ばく。日本は福島の最も多い子供で35ミリシーベルト。この量ではガンは発生しない。

ベクレルというのは雨粒の量を表す。シーベルトというのは人が雨粒で濡れた量を表す。人体影響はシーベルトが大事な単位。発がんが増える指標がシーベルトだと思えばいい。セシウムによる被ばくは外部、内部被ばくともほぼ一緒に考えていい。内部被ばくをとりわけ恐れる必要はない。

ECRRというヨーロッパの市民団体のボスのクリスハズビーは、内部被ばくの危険性をあおり、FORMULA 1という高級サプリメントを販売している。残念だ。。。いろんな人がいろんなことを言っているので、ちゃんと見ないと。。。

100-200ミリシーベルトの被ばくで発がんリスクが最大0.5%増える、というのがデータで実証されている。野菜を食べない人は発がんリスクは1.06%増。喫煙は1.6%増。100ミリシーベルト以下はわからない(実証できるデータが出ていない)。これ以下は哲学領域。

100ミリシーベルト以下は基準値がない。グレーな領域で何とでも言える。(なのでいろんな人がいろんなことを言う)被ばくは「怖れすぎても、怖れなさすぎても」健康被害が出る。福島では放射線被ばくによる発がんは増えないだろう。が、結果的に他の要因でガン患者が増えてしまうのでは?

チェルノブイリ後の調査によると避難した人たちはうつ病、アル中等が増えて、 結果、平均寿命は短くなり、避難せずに残っていた人の寿命のほうが長かった。広島市の平均寿命は2005年女性は日本1位。福島では検査しすぎによって発がんが増えるリスクはある。そうしないようにしないと。

チーム中川は放射線のプロ集団。あのパニックになった状況下、広島、長崎のデータを持っている自分たちがやらないと!とは当然思った、例えいろんな非難をされることになっても、と。科学と哲学の混同が諸説入り乱れの原因。そういうときこそちゃんと発信しないと、と思った、と。

飯館によく行っているが、現地の方はいろんな専門家がいろんなことを言っているので混乱している。避難というのは健康に良くないと言うのがチェルノブイリでも明確に分かっている。放射線でのガンは発生しないが、それ以外の理由での発生はやはり心配、と。

質問の時間。「素人の立場でいろんな情報が入ってくるが誰を信じていいのか混乱している。情報を選ぶ基準を教えてほしい」、という質問に対し、「ガンの臨床医、放射線の専門医などを信じてもいいのでは?研究者と臨床医は違う」と。

質問「放射線による発がんリスクは遺伝しないと言うのは本当か?」 回答「本当。遺伝すると言う人は専門家でない、と思うべき」。なるほど(笑)

質問「100ミリシーベルト以下について、あまり気にしなくしているが、それでも核種が違うとかいろいろ意見があり、やはり気になる。そのあたりについては?」。回答「核種による差はあるが、現実的には無視していいレベル。あまり厳密に追っても意味がない。」:幸せにはならない、ということですね

質問「福島産の食べ物、魚とかはやはり心配だが」 回答「ストロンチウムという物質が海水に入ったことは本当だが、政府が検査しているので福島産であったとしても問題ない。食品安全委員会でも厳しくなる方向なので、出回っているものについては気にしなくてもいいだろう。無理に食べる必要はないが」

質問「医療被ばくについて意識すべきことは?」回答「検査してくれるお医者さんがいいと思うかもしれないが、そうではない。自ら避けれるものは避けるべき。自ら進んで受ける被ばく量は日本は世界一。。。」

質問「体内に入ったものは蓄積されていくのか?」回答「身体の中のセシウムの量は大人だと3ヶ月で半分に身体からは抜けていく。子供になればなるほど早くなる。内部被ばくは蓄積されるというのは大きな誤解。」

福島の方へ最後にメッセージを。→最も大きな被害者は福島の方というのは間違いなく、どう声をかければわからないが、うまく立ち回れれば広島のように日本一の長寿になれるはず。頑張ってほしいと思っている。

今日の中川先生のご講演ですが、準備出来次第、globis.jpにて動画で無料配信する予定です。大変分かりやすく丁寧に御説明くださってましたので、ご興味ある方は是非実際にご覧いただき、判断いただければと思います。画面の向こうから中川先生のピュアな想いが伝わってくるご講演でした。

>> 詳しくは中川先生のブログを→   

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従来の「一般人1msv/年限度」から100倍の「100msv/年でも大丈夫」は、唐突な感じですが、以上のツイートからは、100msv以下はデータがなく、議論しても無駄、かもしれません。

また、池田信夫さんのブログ記事も、参考になります。
> 100mSvの被曝による発癌リスクの増加は、受動喫煙と同じぐらいだ。したがって100mSv以下の放射線はタバコの煙のようなもの

>「いちばん厄介なのは『ゼロリスク』を求める人々だ」 ... 安全はタダではない。. . 賠償も破綻処理も「悪い東電をこらしめる」という感情論ではなく、社会的コストをどうすれば最小化できるか、冷静に考えるときだろう。

ごもっとも。
ただ、ここで、小佐古内閣参与の辞任劇に疑問が残ります。
年間20mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、極めて少ないのです。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです。」 として苦渋の会見を行い 辞任表明したのは、一体 何だったのでしょうか。「御用学者」呼ばわりされたり、一般には伝わってこない 辛さがあったのかもしれない、と今は思います。

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後日、もっと勉強して、検証結果を得たら、ここで述べてみたい。

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