Jun 13, 2022

SAP NetWeaverの活発な悪用を確認、更新を

表題の件、まいなびニュース 06/11の記事によると、
『米国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA: Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)は
3個の脆弱性を追加 .. これら脆弱性はサイバー犯罪者によって積極的に悪用されていることが確認されている。

影響を受ける主な製品やサービスは次のとおり。
    CVE-2021-38163 SAP - NetWeaver
    CVE-2016-2386 SAP - NetWeaver
    CVE-2016-2388 SAP - NetWeaver
』との事。

 06.15 追記ここから

■スコアだけ重視しているとリスクを見落とすかも

これら三つのCVECVSS Base Score等は以下の通りである。

Base Score は、8.x(HIGH)や5.x(MEDIUM)さえある点に注意が必要だ。

 

CVE-2021-38163  

SAP NetWeaver (Visual Composer 7.0 RT) バージョン - 7.30, 7.31, 7.40, 7.50, 制限無しで、非管理ユーザーとして認証された攻撃者は、ネットワーク経由で悪意のあるファイルをアップロードして、処理をトリガーすることができます。
これは、Java Serverプロセスの特権でOSコマンドを実行することができる、という事です。
これらのコマンドは、サーバー上のあらゆる情報の読み取りや変更、サーバーのシャットダウンに使用され、サーバを利用できなくなる可能性があります。  
NIST: NVD   Base Score:  8.8 HIGH
CNA:  SAP SE Base Score:  9.9 CRITICAL 
SAP NetWeaver J2EE Engine 7.40  UDDI サーバーに SQL インジェクションの脆弱性があり、リモートの攻撃者に、特定されていないベクトルを介して任意の SQL コマンドを実行される可能性があります(別名 SAP Security Note 2101079)。   
NIST: NVD Base Score:  9.8 CRITICAL 

CVE-2016-2388  

SAP NetWeaver AS JAVA 7.4  Universal Worklist Configuration は、リモートの攻撃者が細工した HTTP リクエストを介して機密性の高いユーザー情報を取得することを可能にします(SAP Security Note 2256846)。 
NIST: NVD Base Score:  5.3 MEDIUM


■KEVの活用提言

Known Exploited Vulnerabilities Catalog (KEV)に挙がっているものは、脆弱性の悪用が起きているので、スコアが低くても早期対応すべき。その代わりに、スコアが高くても、KEVに挙がっていないものは優先順位を下げて、労力配分を調整しても良い。」と先日のセキュリティのアレで取り上げられていた。

一方「KEVに無いからといって安全とは限らない」とも。結局、エンドレスにやり続けなければならないのである。

← 06.15 追記ここまで

■SAPの脆弱性管理の死角

NetWeaverをインターネットに公開している組織は、脆弱性情報の入手~リスク分析~アプリケーション影響分析~実施の方針や手続きを定め、関係者は緊張感の中で対応を行っているものと想像する。ここで「Known Exploited Vulnerabilities Catalog」のSAP関連の脆弱性には、NetWeaver以外に下記2件の脆弱性が挙がっている点にも注意されたい。
特に2番目のCVEは、一瞥して危険そうだと分かる。関係者は『NetWeaverは使用していないから大丈夫』、『NetWeaver以外は公開していないから大丈夫』、『組織内のみの利用環境だから大丈夫』、『可用性が唯一最大の重要課題』と思考停止せず、パッチ適用しよう。

CVE-2020-2380

NISTとJVNによる説明は、それぞれ以下の通りである。

 

 ・NVD CVE-2018-2380 Detail (2018/03/01)

   

SAP CRM, 7.01, 7.02,7.30, 7.31, 7.33, 7.54 では、ユーザが提供するパス情報の検証が不十分なため、「親ディレクトリにトラバースする」を表す文字がファイル API に渡されてしまうことがあります。

(訳者注、しかし直ちにOS上の何かが露呈する、とは書かれていない)

 

NIST: NVD  Base Score:  6.6 MEDIUM

 

 JVNDB-2018-002510

   SAP CRM におけるパストラバーサルの脆弱性

  

CVSS v3 による深刻度

基本値: 6.6 (警告) [NVD

    • 攻撃元区分ネットワーク
    • 攻撃条件の複雑さ
    • 攻撃に必要な特権レベル
    • 利用者の関与不要
    • 影響の想定範囲変更あり
    • 機密性への影響(C): 
    • 完全性への影響(I): 
    • 可用性への影響(A): 

想定される影響

情報を取得される、情報を改ざんされる、およびサービス運用妨害 (DoS) 状態にされる可能性があります。

 

対策

ベンダより正式な対策が公開されています。ベンダ情報を参照して適切な対策を実施してください。

 

ベンダ情報

SAP

SAP Security Patch Day (Blog) : February 2018 (2547431)

          

CVE-2020-6207

NISTとJVNの説明は、それぞれ以下の通りである。


 ・NVD CVE-2020-6207 Detail (2020/03/10-2021/06/17)

    

SAP Solution Manager (User Experience Monitoring), version- 7.2, Missing Authentication Check が原因で、Solution Manager に接続されたすべての SMDAgents が完全に危険にさらされるサービスのための認証が実行されません

 

NIST: NVD  Base Score:  9.8 CRITICAL

 

 JVNDB-2020-002733

   SAP Solution Manager における重要な機能に対する認証の欠如に関する脆弱性

  

CVSS v3 による深刻度

基本値: 9.8 (緊急) [NVD]

    • 攻撃元区分ネットワーク
    • 攻撃条件の複雑さ
    • 攻撃に必要な特権レベル不要
    • 利用者の関与不要
    • 影響の想定範囲変更なし
    • 機密性への影響(C): 
    • 完全性への影響(I): 
    • 可用性への影響(A):  

影響を受けるシステム

SAP

SAP Solution Manager 7.2

 

想定される影響

情報を取得される、情報を改ざんされる、およびサービス運用妨害 (DoS) 状態にされる可能性があります

 

対策

ベンダより正式な対策が公開されています。ベンダ情報を参照して適切な対策を実施してください。

 

ベンダ情報

SAP

SAP Security Patch Day (Blog) : SAP Security Patch Day - March 2020

           Note# 2890213 


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