Apr 4, 2020

COVID-19、今日までのところ

書きかけ

勉強になった情報サイトを挙げておく。

アジアの感染封じ込めについて

日本の感染率の低さが特徴的。人口比にすると、さらに際立っている
Containing coronavirus: lessons from Asia (03/16) https://www.ft.com/content/e015e096-6532-11ea-a6cd-df28cc3c6a68

早期の渡航制限、接触者の積極的な検査とスクリーニング、厳格な検疫規則が極めて重要であった。また、国民皆保険制度、公衆衛生対応のための明確な管理体制、国民を巻き込むための積極的なコミュニケーションも効果を上げています。

これらの政策により、台湾とシンガポールではウイルスを封じ込め、韓国、香港、日本では感染率を低下させたり、遅らせたりすることができました。

日本がコロナウイルスを封じ込めるためには、厳格な規制を遵守する準備ができていることも鍵となっている。ダイヤモンド・プリンセス号の検疫に失敗した政府の対応や、比較的少数の人を検査するという方針は、大きな批判を浴びてきた。しかし、専門家によれば、自己規律と公的な指導への服従を課す社会的・文化的規範が、日本がこれまでのところ感染数を抑えられている理由の一つであるという。

日本のマスクへのこだわりはコビド19よりも前からあった。2009年の新型インフルエンザ発生時に爆発的に売れた。調査会社の富士経済によると、家庭用マスクの売上高は今年350億円に達し、2009年のピークである340億円を上回ると予想されている。

日本の感染率、際立って低い理由は?

日本人は新型コロナに免疫をもっているのか (03/29)
http://agora-web.jp/archives/2045120.html
1.政府や医療機関の対策がうまく行った
2.きれい好きな日本人の生活習慣が感染を防いだ
3.一部の日本人がすでにコロナに対する免疫をもっている
4.日本人の感染したコロナウイルスは毒性が弱い
ある年に一度風邪を引いた人が二度引かないのは、風邪に対する抵抗力ができるからだといわれる。
年末以降日本に入ってきた新型コロナウイルスに感染したためインフルエンザが減った(普通の風邪と診断された)という推測が成り立つ。

もう一つ考えられるのは、日本人がBCG接種でコロナに対する免疫をもっていることだ。医学的メカニズムはわからないが、呼吸器に広義の抵抗力がつくのかもしれない。疫学的な相関は強く、大隅典子氏によれば、それほど荒唐無稽な話ではない。BCGの試験的な接種も始まっている。

4の要因として考えられるのは、日本人が(従来型)コロナウイルスに感染して免疫をもっていることだ。コロナウイルスは風邪の原因の20%を占めるありふれたウイルスで、中国から毎年いろんなコロナウイルスが日本に入っている。

COVID-19が注目されたのは武漢で起こった感染爆発のためだが、これは強毒性のL型(ロイシン)コロナウイルスで、日本には弱毒性のS型(セリン)が入ったのではないか、という説は白木公康氏などの専門家も指摘している。

総じていえるのは、なんらかの原因で日本人の一部がコロナウイルスに対する抵抗力をもっている可能性が強いということだ。大事なのは、日本人の何%が免疫をもっているかという基礎情報を得ることだ。

基本再生産数R0が2.5だとすると、オクスフォードのモデルでは3ヶ月あれば日本人の60%以上が感染する。この場合は集団免疫状態なので、自粛は必要ない。それほど多くない場合は、集団免疫との差分が問題だ。たとえば50%が免疫をもっているとすると、残りの10%が免疫をもつまでゆるやかに感染を拡大し、医療資源を温存すればいい。

この仮説を検証するのは簡単である。イギリス政府がやるように新型コロナの抗体検査キットを配布して、サンプル調査をすればいいのだ。これは越智小枝氏もいうように臨床的には当てにならないとしても、1000人の血清検査で十分なので、疫学調査としては低コストで効果的である。

S型、L型

新型コロナウイルスに「S型」「L型」の2タイプ? 「人間界に広く定着していくのではないか」 (03/08)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200308-00010005-abema-soci
人間に免疫を作らせる力は弱く、麻疹のように一度かかったら一生かからないという病気ではない。だからワクチンができ、それを打ったとしても、2、3年したらインフルエンザのように再びかかってしまうかもしれない。その意味で、このウイルスは人間界に広く定着していくのではないか」。

BCGと新型コロナウイルスの負の相関

素人目にも相関は明らかだが、感染症専門家はこれまでのところ黙殺しているようだ。それもそのはず、結核菌(細菌)用ワクチンが、ウイルスには効くはずがない。機序の説明のつかないものを「効く」とは言えないのだろう。
If I were North American/West European/Australian, I would take BCG vaccination now against the novel coronavirus pandemic. (3/26-)
https://www.jsatonotes.com/2020/03/if-i-were-north-americaneuropeanaustral.html

A: The country currently has universal BCG vaccination program.*
B: The country used to recommend BCG vaccination for everyone, but currently does not.
The year the country stopped it; Spain 1981, Germany 1998, UK and France 2005-2007 etc.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3062527/
C: The country never had universal BCG vaccination programs.
High-level impression; BCG Brazil, BCG Russia/Bulgaria, BCG Japan countries may immune to novel coronavirus. Countries that use more than one BCG vaccine strain look immune, too. BCG Brazil, BCG Russia/Bulgaria, BCG Japan are categorized in "I" and this may be the effective strain category.
上記を日本語でかみ砕いたサイトも挙げておく。
日本型BCGで新型コロナの免疫ができる? (03/27)
http://agora-web.jp/archives/2045075.html

ロックダウンよりBCG接種の試験を (03/31)
http://agora-web.jp/archives/2045164.html

BCG接種で新型コロナの感染は防げるか (04/03)
http://agora-web.jp/archives/2045216.html
因果は不明だが、注目する研究者も現れた。
豪州は臨床試験へ。米、独も検証にとりかかる模様。
BCGワクチンの効果を検証する動きが広がる 新型コロナウイルス拡大防止に (03/31)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/03/bcg.php

各地のロックダウンと、重傷者への対応

各地の犠牲者を片対数グラフに表すと、勾配(含、収束時の傾向)に共通性があると分かる。急勾配の国々は、ロックダウンに踏み切っていく。
Coronavirus tracked: the latest figures as the pandemic spreads (04/04)
https://www.ft.com/coronavirus-latest

北海道は早期に緊急事態宣言した(2/28~3/19)。二度ほどのピークの後、山を越えた感がある(04/04現在)。今後は集団免疫獲得まで、緩急を制御していくのだろう。
新型コロナ陽性累計、北海道 4/3現在http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/singatakoronahaien.htm

東京は、執筆時現在、苦戦中。
3/25あたりから、急勾配になってきたが、検査数も増えている点に注意が必要だ。二月に軽症のまま治療なく回復したようなケースでも、三末には検査を受けたとすると、母集団の性質が均一ではなくなっている。均一な性質を評価するには、重症患者の推移をみる必要がある(←本節、4/5追記)
東京、陽性累計(4/4)と、検査実施人数累計(4/2)  
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/cards/number-of-confirmed-cases/

大阪も収束に向かうかと思われたが、第二波を迎えた模様。
重傷者の推移をみる必要はある点は、東京と同様(←4/5追記)
新型コロナ陽性累計、大阪 4/2現在
https://covid19-osaka.info/

重傷者数等、こちらのサイトが見やすくまとまっている。
新型コロナウイルス国内感染の状況https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

感染者数や検査人数は増加し増加率も高まっているが、重傷者の増加率はほぼ一定に見える。重症化する確率は全期間で2.4%(=69名/2,845名)である(直近では感染者が増えたことで、重症化確立は低くなっている)。

一方、ネットでは医療現場のリソースが不足してきているとのツイートが散見される。万一の重篤化の場合に、十分な医療を受けられるだろうか。
新型コロナウイルス対策ダッシュボード https://www.stopcovid19.jp/

上記は医療関係者ではない方が、立ち上げたサイト。
精密度(真の病床稼働率、感染者と病床とのマッチ度合、等)に疑問はあるが、厚労省の情報開示が不十分な事が問題だろう。

さらには、医療スタッフ、ECMO(Extracorporeal Membrane Oxygenation: 体外式膜型人工肺)、人工呼吸器、ICUなどのリソースが、より深刻なボトルネックではないのか、との強い疑念がある。

情報公開による透明性確保が強く求められる。また、医療崩壊が起きかねないなら、(日本の戦後体制で、どのような法体系で私権を制限できるか、という課題はあるが)北海道型の緊急事態宣言が必要ではないか。

--> 04/05 追記
東京都知事がYouTubeで「7日の火曜日から順次、軽症者の方々には今いる病院からホテルなどの宿泊施設にご移動いただく。より重症の方が病床を利用できるようになる」と述べたようだ。良い動きだ。

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議
「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年4月1日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000617992.pdf
日本全国の実効再生産数(感染症の流行が進行中の集団のある時刻における、1人の感染者が生み出した二次感染者数の平均値)は、3/15時点では1を越えており、その後、3月21日から30日までの確定日データに基づく東京都の推定値は1.7であった。今後の変動を注視していく必要がある。
【図3.実効再生産数日本全国、東京と東京近郊、大阪】
※推定された感染時刻別の新規感染者数(左縦軸・棒グラフ;黄色は国内発生推定感染時刻別の感染者数、紺色は推定感染時刻別の輸入感染者数)とそれに基づく実効再生産数(1人あたりが生み出した2次感染者数・青線)の推定値。青線は最尤推定値、薄青い影は95%信頼区間である。



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